杏子とさやか

20110610

「さやかぁ」

ん、と両手を広げた杏子に、仕方ないなぁと起きたばかりの気だるい体を引きずり、向かい合うような形でベッドに腰掛ける。そっと彼女の体を抱き寄せて頭をぽんぽん撫でてやると、えへへ、と甘ったるい声が耳元で炸裂した。

……何それ。今のすっごく可愛いんですけど。

思わず、杏子の背中へと回した腕にぎゅっと力を込める。痛いよ、なんて聞こえてきたような気もしたけれど、そんなこと構うものか。

「今日はずっとこうしてたいな」
「……アンタ、学校は?」
「そんなの行かなくったって死にはしないでしょうよ」

でもあたし、今日は杏子と一緒にいないと死んじゃいそうなんで!

何だよそれ、と頬を紅く染めながら笑う彼女がたまらなく愛しくて、あたしはもう一度杏子を強く抱き締めた。

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